転校生は憧れの人
「一ノ瀬、目ぇ開けて」
……え?
囁く彼に言われるままに目を開けてみる。
すると、画面いっぱいに広がる憐くんの顔。
「れっーー」
「静かに」
思わず声を上げそうになるのを遮られた。
静かにって言われても、だって。
憐くんが近すぎるよ……!
おまけに、私の顔に触れる彼の吐息がくすぐったくて堪らない。
真っ暗だった世界は、目を開けるとあまりにも違った世界に変わっていて。
ドクン、ドクンと刻む私の心臓は、壊れちゃいそうって言っても過言じゃない程にうるさくなっていた。
「し……白雪姫が、生き返った!」
憐くんが離れると、私も棺の中で座ってみせた。