転校生は憧れの人
……え。
今、何て言ったの!?
一瞬、時が止まったのかと思った。
さっきまで聞こえていた周りの音が一切聞こえなくなって、身体の力は一気に落ちる。
思考回路が回らない。
未だ混乱状態が続く私は、ただ固まって少しの言葉さえ出ない。
そして、漸くその言葉を理解した瞬間、みるみる内に全身が熱くなっていった。
聞き間違いなんかじゃないよね……?
「嫌なら別にいいけど」
「……っ」
ねえ、憐くん……。
私はずっとずっと、あなたに想いを寄せていたんだもの。
嫌だなんてそんなこと……あるわけないよ。
というか寧ろ――。