転校生は憧れの人
「よ、よろしくお願いします!」
気づいたときには、そう声に出して叫んでしまっていた。
どうしよう……私っ。
うぅ、憐くんの顔、ちゃんと見れないよぉ。
「りょーかい」
「へ?」
「ってことで、アンタはこれから俺の彼女だから。……まあ、よろしく」
見上げたその先にある、憐くんの顔。
いつもと変わらない不敵な表情に、私の心臓はキュンと音を立てた。
「行くよ」
「……っ」
頭に感じる温もり。
憐くんの手が、私の頭をポンと優しく撫でる。
凄く、温かい……。
「うん!」
私は溢れる笑顔で、そう憐くんに返した。