転校生は憧れの人
靴を脱ぎ、すぐさま階段を駆け上がる。
自分の部屋のドアを開けると、私はリュックを投げ捨てる。
そして、勢い良くベッドへダイブ。
ボスッとクッションに顔を埋めた私は、誰にも秘密で小さく微笑んだ。
本当、信じられない。
朝になったら自然に覚めちゃう、そんな夢のようだ。
“一ノ瀬が俺の彼女になるってのはどう?”
こんなこと、思ってもみなかったことで。思い出しただけでも頬が熱くなる。
……でも、何で。
何で憐くんは、あの時あんなこと……。
憐くんの考えは本当によめない。
ただの気紛れ……とかなのかな?
そう考えると、何だか複雑な気持ちになった。
でも。