転校生は憧れの人
“アンタはこれから俺の彼女だから”
……彼女、か。
憐くんが言ってくれた言葉。
この言葉だけで、私には充分過ぎるくらいだ。
全く実感はないのだけれど、紛れもないその響きが、くすぐったくて嬉しい。
……でも、私なんかが彼女で本当にいいのかな?
今は“さあ”でも構わない。
憐くん……私、憐くんに好きになってもらえるように精一杯頑張るから。
そう、心の中でそっと唱えた。
柔らかな月の光。
檸檬色のその光が、私を優しく包み込んでくれる。
眠りに落ちるまでずっと、このドキドキは鳴り止まないままだった。