転校生は憧れの人
『ご、ごめんなさい。この前弥生ちゃんには言えなかったんだけど、本当は、私も憐くんのことがずっとずっと好きで……。でも――』
『な~んだ。それならそうと、早く言ってくれたらよかったのに』
『え?』
私の言葉を遮るように返ってきた、大きな溜め息と笑顔。
全く予想外の反応に、暫し呆然とする。
だって。
“嘘つき”“酷い”“信じらんない”
そんな言葉を覚悟してたんだもん。
『一緒に恋、頑張ろう?』
『弥生ちゃん……』
私は弥生ちゃんの優しさに涙が出そうになった。
嗚呼、ちゃんとあの時に伝えていればよかった。そしたら、もっとよかっただろうに。
……そんな時だった。
次に弥生ちゃんの口から放たれた言葉に、私は思わず間抜けな声を上げてしまった。