転校生は憧れの人
なんて、良かったのか悪かったのか、ちょっぴり複雑な感情を抱きながら、私はふとあることを思った。
『あのー、弥生ちゃんの好きな人って、もしかして……落合くん?』
輝いてて、爽やかで、笑顔が素敵。
この条件に当てはまるのは、多分彼しかいないだろう。
すると、私の勘は正しかったらしく。
『何でわかったのー!』
そう、弥生ちゃんは驚きを隠せない様子で、私をまじまじと見る。
だって、ねぇ。
私は「なんとなくだよ」とだけ答えておいた。
『そーいうことだから、あたしのことは気にしないでガンガン攻めちゃいなさいよ!』
『う、うん。えっと、弥生ちゃんも、頑張ってね!』
『もっちろん』
愛らしく答えた彼女は、にっと口角を上げピースしてみせた。