転校生は憧れの人
弥生ちゃんに別れを告げ、私は梓ちゃんの待つ更衣室に向かおうとした時だった。
『あ!』
そんな声が響いたかと思えば。
『落合くん!』
『長嶋さん!? どうしたの?』
駆けて行く弥生ちゃんの先に、松葉杖をつく落合くんの姿。
そっか。すごいなあ。2人もう知り合いなんだ。
弥生ちゃんの行動力の高さに、私は感銘を受ける。
なんか弥生ちゃん、とっても楽しそう。
一生懸命で幸せそうなその姿に、自然と笑みが零れた。
負けていられない。……私も頑張らなきゃ。
固く、強く心に言い聞かせた。