転校生は憧れの人



──……



放課後。


私達はいつものように部活の準備に向かっている。



「あれ? どうしたんだろう」
 

「へ?」



不意に梓ちゃんのそんな声が響いて、目線の先に視線を合わせてみると、そこには。



「吉野、くん?」



部室前のベンチに座る彼は、普段とはかなりかけ離れた様子で、どんよりと沈みきった雰囲気を漂わせていた。



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