転校生は憧れの人



「……言わない?」


「「え?」」


「絶対、誰にも言わない?」



吉野くんは、交互に私達を見つめる。


その表情は“真剣”そのものだ。
 


「言わないよ!」


「うん」



私達は同時に首を縦に振った。


それを確認したかと思うと、彼は徐にその重たい口を開き始めた。



「……実は今日の昼休み、担任に呼び出されてさ。俺……」



ゴクリ。


次に出る言葉を、息を呑んで見守る。


そして――。




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