転校生は憧れの人
「良かったじゃん、なずなー!」
「うん、ほんとに嬉しい」
憐くんが隣に引っ越して来たこと、憐くんが私を思い出してくれたこと。
全てを話すと、梓ちゃんは私の両手を取って喜んでくれた。
「あ、来たよ。憐くん」
「え?」
梓ちゃんはつられてか、彼を私と同じ“憐くん”と呼んでいるみたい。
ドアの方を見ると、朝が弱いのか眠たそうな憐くんが立っていた。
……夢じゃないんだよね。
昨日あった出来事。それが本当に濃厚すぎて、まるで夢を見ていたかのように感じてしまう。