転校生は憧れの人



「あれ、吉野くん何してるんだろう?」



憐くんが席に着くなり駆け寄る、吉野くんこと吉野夏樹(よしの なつき)。


彼は憐くんの前に立つと、どこか落ち着きのない様子で妙なほど大きな身振りをとっている。


そんな彼の様子が、私は気になって仕方がなかった。



「行ってみる?」


「う、うん」


「ナツ、憐くん、おはよう」



早速元気よく挨拶をする梓ちゃんについて、私は2人に近付く。



「梓となずなじゃん。オッス!」



すると吉野くんは、太陽みたいな明るい笑顔で私達を迎えてくれた。





< 21 / 309 >

この作品をシェア

pagetop