転校生は憧れの人
「あ、梓ちゃん!」
集合場所の公園に着くと、可愛らしい声に呼ばれ駆け寄る。
「おはよ!」
「おはよう!」
「うぃっす」
なずなの隣には、ちゃっかりと憐くんの姿。
結構仲良くやってるのね。
心の中で呟いて、こっそり微笑んだ。
すると、少しして、向こうから元気な声が聞こえてきた。
「おっはよー!」
遠くからでもわかる満面の笑みで、1人の少年は大きく手を振り近付いてくる。
その後ろには、キャップを被ったもう1人の少年。
「ちょお吉野、お前まだ着いてへんのにハシャぎすぎやろ」
呆れた声を出しながら、彼はあたし達の元までやってきた。