転校生は憧れの人
「2人とも、おはよう」
「うぃっす」
恐る恐る声をかけてみると、昔と同じちょっと無愛想な挨拶が返ってきて、胸がキュンとした。
「で。何やってんの、アンタ」
「何って、俺はただ憐くんとお友達になろうとだな……」
「お友達って」
静かにツッコミをいれる梓ちゃんに、私はクスッと笑い声を零す。
「……ということで、よろしくな憐!」
「よろしく」
吉野くんは満面の笑みでガッツポーズを見せた。
――その直後。
「と、ところで……憐って身長いくつ?」
さっきまでの表情から一変、そわそわと口を開いた吉野くんから出てきたのは、突然の質問。
憐くんの様子をじっと見守りながら、その答えを真剣に待ち詫びる。