転校生は憧れの人
「だってよー! 念願のプールだぜ? もうこれ、テンションあげるしかねぇだろ。それに、前は俺だけ参加できなかったしさー」
「へーへー」
“前”というのは、恐らく遊園地のことだろう。
あの時は、ナツだけ熱で行けなくなっちゃったもんね。
「そろそろ行く?」
全員揃ったことだし、とあたしは皆に声をかけた。
そして早速、目的地へと足を進め出したあたし達。
あたしはなずなと並んで歩き、その後ろを男子3人が歩く。
暫く道なりを歩いていると、突然、「ん?」という声が後ろから響いた。
「なずな? お前ェ何で手ぶらなの」