転校生は憧れの人



「そりゃあ、2人はつき合ってるんだから、当然でしょ」



恋人同士での特別扱いは、至って普通のこと。


意味の分からないことを言う彼に、あたしはさらりと答えた。



「えぇーーーーーーーーー!?」


「はぁーーーーーーーーー!?」



そんな時だった。


耳許で大声を出されて、キーンと頭に響く。



「梓、それホンマか」


「え? う、うん」


「マジかよ」



あれ? 何コレ。


あたしの思ってた反応と、全く違うんですけど……?


も、もしかして……知らなかったの!?


パッとなずなを見てみると、恥ずかしそうに俯いていて。



「なずなぁ、ごめん! あたし、知らなくて」


「う、ううん、いいの。いずれは言わなきゃって、思ってたから……」



そして、先程大声を上げた彼等の矛先は、勿論――。





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