転校生は憧れの人



更衣室を出てみると、あたしは怜佑達を探して辺りを見回す。


すると。



「おーい! こっちこっち」



あたし達の姿に気付いたらしい、ナツの声が聞こえてきた。


そして徐に、その声のした方に歩いていく。



「2人とも、めっちゃ似合ってんじゃん」



近付いてみると、ナツは屈託のない笑顔でそう言ってみせた。



「ホント? ありがとー、ナツ!」


「ありがとう」



なずなと顔を見合わせて、笑みを零す。


例えお世辞であったとしても、その一言はなかなか嬉しくて。



「な、怜佑?」


「……っ!」



不意にピクリと反応したあたしは、横目でチラッと怜佑を見た。


アイツ、何て答えるんだろう……?


あたしは息を呑んで、じっと身構える。


そして――。





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