転校生は憧れの人
悲鳴が響いた瞬間、あたしは咄嗟に振り返った。
すると。
「大丈夫?」
「だ、大丈夫! ありがとう……」
どうやら足を滑らせたらしいなずなが、憐くんの手によって受け止められていた。
そんななずなの顔は、もう真っ赤で。
近すぎる彼との距離に、目のやり場を失っているよう。
……よかった。憐くんがいてくれなきゃ、きっとなずな、今頃怪我してたところだ。
ナイス反射神経!
あたしは心の中で、思いっきり叫んだ。