転校生は憧れの人



悲鳴が響いた瞬間、あたしは咄嗟に振り返った。


すると。



「大丈夫?」


「だ、大丈夫! ありがとう……」



どうやら足を滑らせたらしいなずなが、憐くんの手によって受け止められていた。


そんななずなの顔は、もう真っ赤で。


近すぎる彼との距離に、目のやり場を失っているよう。


……よかった。憐くんがいてくれなきゃ、きっとなずな、今頃怪我してたところだ。


ナイス反射神経!


あたしは心の中で、思いっきり叫んだ。




< 227 / 309 >

この作品をシェア

pagetop