転校生は憧れの人



そして、あたし達は漸くプールの中へと入った。


水が冷たくて気持ちいい。


照りつく太陽の下、スライダーに乗ったり、怜佑とナツが競争したり、皆でナツが持ってきたビーチボールで遊んだり……とにかく、ハシャぎまくった。



「楽しいねー!」



ビーチサイドに上がったあたしは、なずなと笑い合う。


一方、まだまだ元気が有り余っているナツと怜佑は、またもや競争しているようだ。



「のど渇いたなー」



不意に、ポツリと零す。


……あ。そう言えば、更衣室に置いてきたんだった。



「あたし、お茶取ってくるね」


「あ、じゃあ私もついて……」


「いいよ、一人で大丈夫だから」



なずなにそう言い残すと、あたしは更衣室に走った。




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