転校生は憧れの人
「なあなあ、いいだろ~? 教えてくれよ」
「……嫌だ」
「ちょ、憐くーん!」
唐突な拒否にガーンと頭を抱えながらも、吉野くんは負けずにもう一度訊ねる。
「何でアンタに教えなきゃなんないの?」
すると憐くんは、ズバッと鋭い一撃を喰らわせた。
大ダメージ。
吉野くんは、一瞬にしてその場に崩れ落ちた。
相変わらず痛いとこつくなあ。昔から色々と鋭かったし……。
なんて昔を懐かしんでいる最中、さっきまで沈んでいた筈の吉野くんが、何か閃いたように大声で叫んだ。