転校生は憧れの人
「なずな、ありがとう」
「ううん」
……あたし、もっともっと頑張ろう。
いつかこの気持ち、伝えられたらいいな。
「行こっか。怜佑達、もう待ってると思うし」
「そうだね!」
気持ちを切り替えて、笑顔を向ける。
鞄を手に持つと、あたし達は更衣室を後にした――。
案の定、集合場所には彼等がいて。
あたし達の姿を見つけるなり、“遅い”やら“何しとってん”やら、それぞれに不平不満を吐き出していく。
「乙女の内緒話で忙しかったの」
そんな彼等に、あたしはにっこり笑顔を送った。
「はぁ!? 俺ら待たして、ベラベラと2人で長話しとったんけ」
「あははー、ごめんごめん」
――そうして、楽しかった時間は終わりを告げたのだった。
……けれど。
あたしの恋路の終着点は、まだまだ先にあるみたいです。