転校生は憧れの人
――とまあ、結局なずなとのデ……んん! 観劇は諦めたものの……。
やっぱり、怪しい。
そう何かを感じた俺は、こうしてなずなの後をこっそりつけることにしたのだった。
ん? これじゃまるでストーカーだって?
いやいや。
これは立派な、兄の責務です。
……そして今日、いつものように家を出て、学校に入ったところまではよかった。
念のため30分くらい身を潜めた後、そろそろ帰ろうかと安心しきっていた、その時……衝撃の光景が目に飛び込んできた。
愛する妹の隣に、男が並んで歩いているだと!?
……それで今に至る、というわけだ。
どこに向かっているかは知らねーが、真底危険極まりない。
つーか、何でよりによってあの憐なんだよ!