転校生は憧れの人
「ここは公平に、じゃんけんで決めようぜ!」
「「「じゃんけん!?」」」
まさかの言葉に、本人以外の私達3人は揃えて声をあげる。
「いくぞ?」
「は?」
「出っさなきゃ負けよ、最初はグー、じゃんけんポン!」
憐くんの否応なく放たれたその言葉は、真剣そのものだった。
あっ……!
出された2本の腕。私はその先にある結果に釘付けになる。
「……よ」
小さく漏れた音。
「よっしゃあーーっ!」
その瞬間、喜びにまみれた吉野くんの声が教室いっぱいに響き渡った。