転校生は憧れの人




彼女は今、“大好き”だと、そう言ったのだ。


憐のことは“好き”。しかし、この俺様のことは“好き”なんてレベルじゃ収まらず、“大好き”なんだと。


っつーことは……!



「勝ったーーっ!」



天まで響く歓喜の叫び。


目の前の2人は頓狂な顔をしているが、そんなの知ったこっちゃねぇ。



「おい憐、どうやらなずなはお前より俺の方が好きみたいだな?」


「は? 何言ってんすか」


「意地張らなくてもいいんだぜ」



ここまで言うと流石の奴も頭に来たのか、ムッとした表情のまま呟いた。



「一ノ瀬、俺のこと“大好き”?」


「えっ、うん!」



はぁーん、これでおあいこってか?


それなら。


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