転校生は憧れの人
4章
嘘つきは悪夢の始まり
-Nazuna side-
まだまだ暑さの残る、9月初め。
草木の緑が鮮やかに色づいている。
楽しかった夏休みは終わりを迎え、遂に今日から2学期が始まる。
……よし。
私は気を引き締め、爽やかな気持ちで校門をくぐった。
「オッス、なずな!」
「あ、吉野くん。おはよう!」
教室に入るとすぐ、明るい笑顔が目に飛び込んできた。
相変わらずの元気さ。
私はそれに返事すると、自分の席に着いた。
……懐かしいなー。
以前と変わらず、ざわざわと騒がしいクラスに、思わず頬が緩む。
長期休み明けには決まって、そんなことを感じてしまうのだ。
鞄を置き、そうやって一息ついていると――。