転校生は憧れの人
「はっはっは! さあさあ憐くん、言ってれるかね?」
高々と笑う吉野くんを横目で見て、憐くんは溜め息をつく。
不満そうな顔のまま、「わかったよ」とだけ呟いた。
そして、またひとたび大きな溜め息をついてから。
「……うよん」
そう、ボソリと漏らす憐くんの表情は、最高にムスッとしている。
「聞こえねーしー」
「……だー! だから164だっつってんだろ!」
れ、憐くん?
憐くんは吹っ切れたのか、怒り混じりに叫んだ。