転校生は憧れの人
――キーンコーンカーンコーン。
聞き慣れた音が鳴り響く。
……予鈴だ。
梓ちゃんに小さく手を挙げると、私は自身の席に着いた。
私はそろりと彼の姿を目で捜す。
そこには、いつもと変わらない眠たそうな顔。
憐くん……。
唇を噛みしめて、ゆっくりと目線を元に戻した。
お願いだから嘘であって。
せっかくまた会えたのに、もうお別れだなんて、そんなの……。
それに私、このまま別れたくない。
憐くんとギクシャクしたままなんて、絶対に嫌だよ。
――しかし次の瞬間、私の鼓膜を最悪の言葉が鋭く貫いた。