転校生は憧れの人



「明日!? 明日って学校じゃない。それに、学力テストだよ!」


「うん。それはわかってるけど、それでも行きたいの。ごめんね、梓ちゃん」



自分が馬鹿だってことは十分わかる。


でも、この方法が私にとって一番良い方法だって思えたから。



「……ふふ、なずならしい」


「え?」


「頑張ってね、明日。その代わり、目一杯自分の気持ちぶつけてくるんだよ!」


「うん……!」



ありがとう。


絶対、約束するよ。


固く返事した所で、休み時間は終わりを告げる。


それからの時間の記憶はあまりなかった。


問題のフライト時間は運良く吉野くんが知っていて、朝の8時の便だと放課後に教えてくれた。


そして、モヤモヤとした気持ちを抱えたまま、遂にその朝はやって来たんだーー。






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