転校生は憧れの人
「そんな時急に、今日憐くんがアメリカに戻るって聞いて……私、どうしていいかわからなくて……」
どうしよう、泣きそう。
段々声が震えてきて、言葉が詰まってしまう。
「何で、私には言ってくれなかったの?」
呟くとともに、そろりと顔を上げた。
ぼやけた視界。
温かいものが一筋頬を伝う。
「わ、私が嘘ついたのが悪いのかもしれないけど、でも……もう当分会えないんだよ? 教えてくれたっていいじゃない」
「一ノ瀬――」
「私、憐くんのこと大好きだよ。小学生の時から、ずっと」
まっすぐと見つめる。
そして次の瞬間、今までせき止めてくれていたものが崩れ落ちたように、一気に涙が溢れ出した。