転校生は憧れの人
「何とも思ってないわけないだろ」
「……っ!」
れ、れれれ、憐く……っ!
僅か10センチ。多分、そのくらい。
鮮明に目に飛び込んでくる目の前のモノに、私は瞬きすら出来ない。
うぅっ、近すぎるよっ!
身体が熱い。それも、物凄く。
……ていうか。
「……あ、あの、さっき!」
「何?」
「いや、そ、その……ききき、き……」
「ああ。だって、ああでもしなきゃ一ノ瀬黙んなかったじゃん」
なっ!
あ、ああでもしなきゃって……!
サラリと答える彼に、私の頬は更に上気する。
ドキドキが鳴り止まない。
それは大きくなりゆくばかりで、少しも限界を知らないよう。
そんな私に、憐くんはトドメの一言を浴びせた。