転校生は憧れの人
わけがわからずそう零したのも束の間。
私は、一瞬にして全身に冷や汗をかいた。
……わぁっ、めっちゃ見られてるよ!
私達は知らぬ間に、ロビーを行き交う人の視線を全て集めてしまっていて。
「憐くん……」
恥ずかしさと申し訳なさとで彼を見る。
私があんなに叫んじゃったから……。
「……何で全然気付かないの?」
「うっ。えっと、ど、どうしても憐くんに伝えたいことがあって。それだけでいっぱいいっぱいで」
……とっても恥ずかしい。
呆れた憐くんに促されるようにして、ひとまず目立たない隅にそっと移動した。
「そうそう――」
そして次の瞬間、突如繰り出された彼の言葉は、またもや私を驚かせた。