転校生は憧れの人
「じゃあね」
私は、名残惜しくもそっと声をかけた。
これ以上引き留めてはいられないから……。
すると憐くんは、私にほんのりと笑顔を見せた。
「約束、俺のいない間にまた破んないでよ?」
「……うん!」
大好きな大好きな後ろ姿。
私はただ、それをじっと見守る。
今から1週間、会えなくなる。
1週間も……ううん、たった1週間だ。
私、待ってるから。
――いってらっしゃい、憐くん。
そして、彼を乗せた飛行機は滑走路から飛び立ち……たちまち見えなくなった。