転校生は憧れの人
「落合くん、おはよう!」
俺がその姿を確認したのとほぼ同時。一ノ瀬の高い声が耳に届いた。
「そうそう。高月と一ノ瀬さん、つき合ってるんだってね」
「ふぇっ!? な、なな!」
その瞬間、茶髪の彼女は露骨に慌てふためく。
喜怒哀楽がこんなにもはっきりと見て取れる人間は、きっと一ノ瀬しかいないだろう。
「……何でアンタが知ってんの?」
俺が目線をやると、落合はフッと笑みを零した。
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