転校生は憧れの人
「やっぱり本当だったんだ。……いや、俺はただ噂で聞いただけなんだけどね」
「ううう、噂!?」
一ノ瀬は更に顔を真っ赤にして、震えた声を上げる。
……ああ、そういうこと。
さっきから少し気になっていた、周囲からの視線。
落合の台詞で、疑問は解決。
やたらと俺と一ノ瀬をじろじろ見てくるとは思ってたけど、まさかね。
そして、今更その視線に気づいたらしい一ノ瀬は、涙目を隠すように手で顔を覆った。
どこから漏れたんだか……まあ、別にどうでも良いけど。