転校生は憧れの人



「はいはいはーい! イチャつくのはその辺までー!」



すると突然、バカデカい声が空気を切り裂いた。


犯人は勿論、アイツ。



「よっ、よし、のくん!」


「……何吉野」


「何吉野、じゃねぇよ! ったくお前、公衆の面前で何見せつけてくれてんだ」



顔を真っ赤にしながら、吉野は鼻息荒く俺に詰め寄る。



「別に見せつけてないし」


「あのなぁ! 見たくなくても、俺のぱっちりおめめにはくっきりはっきり見えるんです! ちょっとはこっちの気持ちも考えて行動してくれません?」



わけわかんない。


見たくなくても見える?


……見なきゃいいじゃん。


それより――。





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