転校生は憧れの人



「皆に紹介したい奴がいる」



先生を中心に、マネージャーを含めたサッカー部員は全員円を描くように並ぶ。


ミーティングの時と同じ体系だからなのか、そこには緊張した空気が漂っていた。


そんな中、先生は隣に立つ憐くんを見ると、



「高月」



と小さく呟いた。



「今日から入部する、2年の高月憐です。よろしくお願いします」



それは何かの合図だったらしく、憐くんは小さくお辞儀して、大きな拍手に包まれながら挨拶を済ませる。


それと同時に、“よろしくな!”“入ってくれて嬉しいぜ”なんていう歓迎の言葉がグランドを埋めた。





< 38 / 309 >

この作品をシェア

pagetop