転校生は憧れの人



「高月は小学生の頃からずっとサッカーを続けているそうだ。皆、負けないように頑張るんだぞ」


「はい!」


「よし。じゃあ、練習を始める」



先生がそう言うと、部員達は元気な返事と共に一斉に散らばった。


そして今日の買い出し当番に当たっている私は、早速その仕事に移ろうとした、その時。



「一ノ瀬」


「はい!」



突如先生の声に呼ばれ、ビクッと声をあげる。


私はそっと先生に近づいた。



「何ですか?」


「悪いが一ノ瀬、高月を連れて倉庫を案内してやってくれ」


「え?」



憐くんを……。


ああ、なる程。そうだよね。場所わからないもんね。


……って。なっ、ちょ、ええーーーっ!?


何で私なのぉ!?







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