転校生は憧れの人
憐くんは尋ねると、私の方に袋を出してみせる。
「そこに、置いてくれるかな?」
「りょーかい」
「ホントに、ありがとう」
「別にいいよ」
感謝の笑みを浮かべる私に、荷物を置き終えると彼は答えてくれた。
「手伝わせちゃってごめんなさい」
「何で謝んの?」
そんな一言に、驚いて。
「俺が持つって言ったんじゃん」
そんな一言が、嬉しくて。
じんわりと温かくなる心に、やっぱり私の気持ちは変わらないんだと再確認した。
“ありがとう”
もう一度だけ、心の中で呟いた。