転校生は憧れの人
――……
練習は終わりを迎え、今はミーティングに差し掛かる。
既に日は暮れていて、グラウンドはオレンジに染まっていた。
「明日からは、高月にも練習に加わってもらいたいと思う」
先生の言葉にどきりとする。
憐くんを見ると、真っ直ぐな表情で先生のことを見ていた。
「高月。もし、スパイクがあれば準備してきてくれ」
「はい」
「では、連絡は以上だ。解散!」
言い放たれると、円は次々にバラバラになっていく。
「なずな、帰ろー」
「うん!」
梓ちゃんに呼ばれ、駆けていく。
そして、黒が混じりだしたオレンジをバックに、私達はグラウンドを後にした。