転校生は憧れの人
「チャンス!?」
「うん。憐くんともっと接近できる、絶好の機会じゃん!」
接近できるって……。
えぇーーーーっ!?
無理無理無理無理!
「梓ちゃん! そんなの……!」
「大丈夫だって! 私も手伝うから」
「え、だってそんな、私何もできないよ!? 近くにいるだけで緊張しちゃ――」
「なずなも梓もひでーよな。俺もいんのに、2人で楽しそうに話し込んじゃってよ」
その時、無口だった吉野くんは突然口を開くと、彼はムスッと口を尖らせ拗ねた様子で私達を見た。