転校生は憧れの人
「ごめんね、吉野くん!」
「ナツ、ごめん!」
「……別に良いけどさ。で、行くのか?」
「行く! ……ね、なずな」
梓ちゃんは私に視線を送ると、優しくニッコリと微笑んだ。
久しぶりに行く遊園地。
そこには憐くんもいて、きっと楽しいことが想像できる。
「うん!」
私の答えは、この1つだった。
「じゃあ、決まりな。土曜日の9時に駅前集合ってことで!」
「「了解!」」
今日は木曜日。遊園地に行くのは明後日で、いつもなら明後日はすぐだと感じるのに。
今日の私は、あと2日を遠いな、なんて思ってしまった。