転校生は憧れの人
――……
午前6時12分。
私はまだ少し重たい瞼を擦りながら、目覚まし時計の示す時間を確認した。
今日は、皆で遊園地に行く、その当日だ。
待ち合わせ時間は、9時。私が目覚ましをセットした時間は、6時半。
目覚ましが鳴る前に目が覚めるなんて、かなり珍しい。
「……んっ」
カーテンを開けて身体を伸ばす。
優しい日の光が全身に当たって、心地よかった。
ゆっくりとある程度の身支度をすませると、私は昨日必死に選んだ洋服を身に纏う。
……楽しみだな。
胸の高鳴りが止まらない。
私は髪をセットして、唇にグロスを塗る程度の軽い化粧をした。