転校生は憧れの人



――……



午前6時12分。


私はまだ少し重たい瞼を擦りながら、目覚まし時計の示す時間を確認した。


今日は、皆で遊園地に行く、その当日だ。


待ち合わせ時間は、9時。私が目覚ましをセットした時間は、6時半。


目覚ましが鳴る前に目が覚めるなんて、かなり珍しい。



「……んっ」



カーテンを開けて身体を伸ばす。


優しい日の光が全身に当たって、心地よかった。


ゆっくりとある程度の身支度をすませると、私は昨日必死に選んだ洋服を身に纏う。


……楽しみだな。


胸の高鳴りが止まらない。


私は髪をセットして、唇にグロスを塗る程度の軽い化粧をした。






< 64 / 309 >

この作品をシェア

pagetop