転校生は憧れの人
「よく意識飛ぶよね、一ノ瀬って。何考えてんの? ……妄想?」
「違っ! えっと、そのー……昔のことを思い出してたんだよ!」
ニヤリと口角を上げた憐くんの意地悪な発言に、全身が一気に火照る。
私はとにかく、必死になって違うことをアピールする。
「昔のこと?」
「う、うん。私が憐くんのことを好きにな――」
「……」
……。
はっと続きの言葉を飲み込んだその時には、もう既に遅く。
私の言葉は、室内に小さく響いた気がした。
…………い、今私、とんでも無いこと言っちゃったよね?
いやーーー! こ、これは本当にマズいよ~っ。