転校生は憧れの人
「お帰りー」
「ただいま」
手を振る梓ちゃんに、私も手を振り返す。
「あれ……? なずな顔赤いよ。何かあったの」
ギクリと身体が硬直する。
本当に鋭い。
やっぱり梓ちゃんには、何でもお見通しみたい。
心配そうな彼女に、私は小さく口を開く。
「えっと……」
次に、観覧車であった出来事を全て告げていった。
「こ、告白って。えぇ!? 嘘」
「本当だよ……」
話した途端に、梓ちゃんは大きな声を上げた。
……出来れば嘘であって欲しい。
それは私だって何度も思った。
けど、それは紛れもなく変えようのない事実なんだ。