さよならまでの時間
そして梨花を乗せてしばらく車を走らせた俺は、公園の横に車を止め、梨花をそっと抱きしめた。
「梨花・・・大丈夫か?本当にこれで良かったのか?」
俺がそう言うと、梨花の目から涙が一気に溢れ出た。
「うん・・・これでいいんだよ・・・こんだけあたしのこと嫌いになったら・・・聡くん・・・あたしのこと・・・忘れてくれるでしょ?誰かと・・・幸せになってくれるでしょ?」
梨花・・・そこまで聡のことを・・・
しばらく俺に抱きしめられながら泣いていた梨花は、俺に、聡との友達関係を壊してごめんと謝った。
「大丈夫だから・・・梨花、気にしなくていいから・・・」
梨花・・・梨花は大丈夫なのか・・・?
俺は、ただ梨花の頭を撫でてやることしか出来なかったんだ。