さよならまでの時間
頭の良かった翔ちゃんは、よくあたしに勉強を教えてくれていた。
「お~い、梨花~、こんなのもわかんないとかなりヤバイぞ~!」
なんて意地悪に言うけど、あたしがわかるまでちゃんと教えてくれたんだ。
涼ちゃんよりも年が近いのもあって、翔ちゃんといることの多かったあたし。
翔ちゃんが受験生になるまでは、よく一緒に遊びに行ってたりしてた。
そんなあたし達を、あたしの友達は、
「ラブラブだ~♪」
なんて冷やかしたけど・・・
あたしにとって、翔ちゃんは大好きなお兄ちゃんだったんだ。