さよならまでの時間
電話を切ってしばらくして、インターホンが鳴り、ドアを開けると翔がズカズカと家に入ってきた。
「翔!何なんだよ!」
翔のあまりにも唐突な行動に、俺は少しイラっとして言ってしまった。
すると、翔は俺の胸ぐらを掴み、聞いてきた。
「聡!お前、この前梨花を追い返したって本当なのか?!」
「何だよ!離せよ!」
「いいから!言えよ、聡!」
今まで見たことのない翔の顔に、俺は観念して言った。
「わかったから・・・ちゃんと話すから・・・離せよ・・・」
俺がそう言うと、翔は手を離した。