さよならまでの時間
何も言えないでいる俺に、翔は続けた。
「俺もバカだ・・・梨花の気持ちに気付いてやれなかった・・・あんな笑顔、ウソだったのに・・・あの時に気付いてやれてたら・・・俺、あの笑顔がウソだったって、そこのメールで知った・・・もっと読めよ・・・梨花の気持ちがわかるから・・・」
そう言って、翔は黙ってソファに頭を抱えたまま座った。
その辛そうな顔は、俺の見たことのない翔の顔だった。
俺は椅子に座って、震える手で携帯のボタンを押して、メールを読んでいった。