さよならまでの時間

そう言った俺に、涼くんは厳しい顔をしてこう言った。

「聡くん・・・それはやめておいた方がいい・・・聡くんは、まだわかってない・・・人を看取るということを・・・」

「わかってないって、何がですか!俺は、りんを1人で死なせたくないんです!俺が付いててやりたいんです!」

「人を看取るということは、想像以上に大変なことなんだよ。梨花、痩せてただろ?病状が進行すれば、これからもっともっと痩せていくかもしれない。見ていられない姿になるかも・・・それに少しのことで発作を起こしそうになる。それは寝ている間もなんだ・・・そうすると、そばに付いてる聡くんが、安心して寝ることが出来なくなる。寝不足が続いて、それがだんだんストレスになる。そのストレスを、今度は梨花が感じるようになるんだ・・・」

「・・・・・・」


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