さよならまでの時間
「何だよ兄貴。」
「・・・・・・翔、なんで聡くんを連れて来たんだ?」
「はぁ?!兄貴、何言ってんだよ!梨花のために決まってんじゃん!当たり前だろ?」
「どうすんだよ・・・聡くん、梨花にプロポーズして、梨花を看取るって言ってる・・・」
「それの何が悪いんだよ!!」
「聡、お前も医者になろうと思ってんなら、わかるだろ?死んでいく人を看取ることの大変さが。これから梨花がどうなっていくか・・・見てらんないぐらい痩せ細っていくかもしれない・・・そんな姿を、梨花が見られたいと思うか?聡くん自身も、梨花の発作を気にして寝られなくなってストレスだって溜まる・・・それを梨花が気にして辛い想いをする。仕事だって、梨花のためにやめたことを梨花が知ったら、自分のせいだって気にするだろう・・・それに、梨花の意識が戻るかどうかもわからないんだ!だから、俺、聡くんにもう一度考え直した方がいいって言った。」